10月1日から新型コロナワクチンの定期接種が始まりました|ベイフロントクリニック南船橋|南船橋の内科・呼吸器内科

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医療コラム

10月1日から新型コロナワクチンの定期接種が始まりました|ベイフロントクリニック南船橋|南船橋の内科・呼吸器内科

10月1日から新型コロナワクチンの定期接種が始まりました

10月1日から新型コロナワクチンの定期接種が始まりました。
今回は5類感染症移行後と言うことで65歳以上の方と、60~64歳の新型コロナ感染症のハイリスクとされている方が対象です。
新型コロナワクチンは今年から国内で5種類が認められましたが、逆に反ワクチンキャンペーンなども展開されており、一般の方は情報が入り乱れていて混乱も少なくないと思いますので、以下に簡単にまとめました。出展は日本呼吸器学会、日本感染症学会、日本ワクチン学会から公表された「2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」です・
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は過去のものではなく、現在でも高い死亡率です。
2023 年5 ⽉8 ⽇の5 類感染症移⾏後は毎⽇の死亡者数の発表はなくなりましたが、厚⽣労働省の死亡統計によると、2023 年5⽉から2024 年4⽉の1 年間のわが国のCOVID-19 による死亡者数は29,336 ⼈で、5類移⾏までの3 年4 か⽉間のCOVID-19 の死亡者数は74,096 ⼈であり、その40%にあたる数の死亡者が5 類移⾏後の1年間にみられています。
オミクロン株流⾏期の海外の研究では、65 歳以上のCOVID-19 ⼊院患者の30 ⽇以内の致命率は、インフルエンザ⼊院患者よりも1.78 倍⾼いことが報告されています。
●過去の新型コロナワクチンは予防効果を示しました。
 世界では2020 年12 ⽉からの1年間にCOVID-19 による死亡を1,440 万⼈防いだと推計されており、わが国でも、新型コロナワクチンが導⼊されていなかったら、2021 年2 ⽉から11 ⽉の期間の感染者数は報告数の13.5倍、死亡者数は36.4 倍であったと試算されています。また、オミクロン株流⾏期の2022 年1⽉から5 ⽉の東京都でも、直接的・間接的に感染者数を65%減少させたと報告されています。
●新型コロナウイルス感染の流行は今後も起きます。
 COVID-19 は5類感染症に移⾏後も流⾏を繰り返し、2024 年も冬季の第10 波に引き続
き、7〜8⽉には第11 波がみられました。その要因の⼀つは、変異株が繰り返し出現していることで、オミクロン株は数か⽉ごとに変異を繰り返し、昨年秋以降も流⾏株がXBB.1.5 ➡JN.1 ➡KP.3 と変化しており、変異のたびに免疫を回避する⼒が強まっています。
●つまり過去に接種を受けていても感染を防御する能力が低下していることが予想されているために、最新のワクチン接種が必要です。このことはインフルエンザワクチンその年に流行する株を予測し毎年変更されることと似ています。
●以上のように⾼齢者には新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨します。
新型コロナウイルスの変異のスピードは速く免疫回避⼒を⾼めた株が繰り返し出現していますが、オミクロン株の派⽣株にとどまり、全く新しい変異株が出現する徴候はみらません。新型コロナウイルスに対しても新たな流⾏株に対応した新型コロナワクチンを少なくとも年に1回は接種することが望ましいと考えます。
なお、レプリコンタイプ(⾃⼰増幅型)のコスタイベについても、増幅されるのはウイルスのタンパク質の一部の遺伝子 だけであり、感染⼒のあるウイルスが増殖することはなく、接種を受けた人が周囲の⼈に感染させるリスク(シェディング)はありません。

当院では、初回の接種から用いられ接種実績が最も多いファイザー社製のワクチン(コミナティ)の接種を行っています。院長は前職の川崎幸クリニックに勤務していた時代にファイザー社のコミナティとモデルナ社のスパイクバクスの2種類のワクチンの予防効果についての検証を行い、ワクチンの領域で最も権威のある海外の雑誌である Human Vaacine and Immunotherapeuticsに論文が採択された経歴がございます。効果や副反応についても熟知した上でコミナティの接種を行っております。

以下に採択された論文の要旨を日本語で示します。
「2021年2月にSARS-CoV-2 mRNAワクチンによる全国的な予防接種が開始されましたが、日本ではテストネガティブデザインを用いたワクチン有効性の評価が十分に行われていません。SARS-CoV-2 mRNAワクチンの有効性を評価するために、デルタ株とオミクロン株が優勢な時期にテストネガティブケースコントロール研究を実施しました。川崎差岩クリニックの発熱外来を受診したCOVID-19のような症状のある成人が2021年8~10月(デルタ株優勢時期)に518人、2022年2月(オミクロン株急増時期)に358人川崎幸クリニックでウイルス検査を受けました。デルタ株優勢時期、2回のワクチン接種の有効性は、すべてのCOVID-19と中等症~重症の疾患に対してそれぞれ90.4%(95%信頼区間[CI]:82.1〜94.8)、97.3%(95% CI:71.7〜99.7)でした。しかし、1回のみのワクチン接種は、中等症から重症のCOVID-19に対して有効性を示しませんでした。オミクロン株急増時期には、すべてのCOVID-19感染に対するmRNAワクチンの有効性は、16.1%(95% CI:-81.0〜61.1)に低下しました。私たちの知る限り、これは両時期の日本人集団におけるワクチン有効性を評価した最初の研究です。」テストネガティブデザインというのは実際の接種が行われている状況でワクチンの効果を適切に評価できる検討方法で、毎年のインフルエンザワクチンの効果の評価にも用いられています。この経験から、国やメーカーの受け売りではなく、最も信頼できる新型コロナワクチンとして、当院では「コミナティ」の接種を行っています。
どうか安心して接種を受けて頂きたいと思います。

「2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」の全文を読みたい方はこちらをご覧ください➡ https://www.jrs.or.jp/activities/guidelines/statement/20241021114000.html

Real-world vaccine effectiveness of mRNA vaccines for SARS-CoV-2; a test-negative case-control study in a medium-sized clinic を読みたい方はこちらをご覧ください➡ https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21645515.2022.2147353