睡眠時無呼吸症候群外来
睡眠時無呼吸症候群外来
睡眠障害の一つで、眠っている時に呼吸が止まる「無呼吸」症状が繰り返されるなどして、睡眠の質が低下してしまう病気です。そのため、睡眠中だけでなく日中においても様々な症状が現れます。その代表が日中の眠気です。運転中の眠気による交通事故や仕事の作業能力の低下の原因になるなど社会的な生活への影響を考えると、日中の症状がより問題となっています。
そのほかに高血圧や喘息、COPDの悪化、心筋梗塞や脳卒中のリスクを増大させるなど合併症も問題となります。
睡眠中は体の緊張が低下するため、舌の付け根が緩んで喉に落ち込み上気道(喉までの空気の通り道)が閉塞します。鼻の病気や扁桃腺の肥大、肥満、顎が小さいなど形の異常があるとさらに気道が閉塞し易くなり、無呼吸を来たします。ほとんどの睡眠時無呼吸症候群の患者さんはこのような閉塞性無呼吸(OSAS)です。一方、呼吸をするように命令を出す役割をになう脳にある呼吸中枢の異常で、呼吸の命令が出なくなり呼吸が止まってしまう中枢性無呼吸(CSAS)の場合もあります。
1時間あたり10秒間以上の呼吸停止が5回以上ある場合を睡眠時無呼吸症候群と診断します。その中で治療が必要なSASは1時間当たりの無呼吸がもっと多い場合です。実際の診断には睡眠中の呼吸状態の評価が必要です。通院でできる簡易睡眠呼吸検査(アプノモニター)と1泊入院で行われるポリソムノグラフィ(PSG)があります。当院ではアプノモニターを実施し診断を行いますが、日中の眠気などの症状が強い場合には、簡易検査での無呼吸回数がそれほど多くなくても治療が必要である可能性もあるため、PSGを行うことになり、PSGを実施している施設へ紹介いたします。
就寝中に鼻マスクをつけて一定の圧力をかけた空気を送り込んで落ち込んだ舌の根本を持ち上げて空気の通り道を確保し、無呼吸を防CPAP治療が行われます。自覚症状があり、1時間当たりの無呼吸の回数が平均して20以上の人は健康保険が適応となります。CPAP治療開始後は、原則毎月の外来受診が必要になりますが、最長で受診間隔を3ヶ月まで延ばすことが可能です。治療費用は月1回の通院治療及びCPAPのレンタル料を含めて3割負担の方で約5,000円程度です。しかし簡易検査ではCPAP治療の適応条件はもっと厳しくて、1時間当たりの無呼吸の回数が平均して40以上の人としていることが多い様です。このため簡易検査で40未満でかつ自覚症状がある患者さんには、治療の可能性を探るためにPSGをお勧めしています。
(https://medical.teijin-pharma.co.jp/lifestyledisease/cpap.htmlより引用)
より軽症の患者さんにはマウスピースを睡眠時にはめ、下顎が後ろにさがらないようにして気道を確保する方法もあり、1時間当たりの無呼吸が5回以上あり、医師が必要と診断した場合は健康保険が適応されます。費用は自己負担1万~2万円程度です。